童貞王子と処女姫物語-入院②ー
飛んでくるおしぼりをちぎっては投げ、
乱れしバーコード頭にぶん投げてやった。
と、してやりたかったが、
体が言うことを利かない。
あまりの痛みに意識が薄れる。
しかし、そこであたしの凄いところは、
二回目にかかってきた電話に息もたえだえなのに出たことだ。
電話は、母親からだった。
そう、駅で待ち合わせをしている友達が、
私の携帯の番号を知らなかったために、家に電話がかかってきたのだ。
その連絡をするために電話をしてきた母。
まさか、
家から3分のところで
さっき出て行った私が
ひかれているとも知らずに。
まぁ、奇跡のような電話に、もう一つの奇跡。
倒れた前の居酒屋に元看護婦さんがいたのだ。
すばやい対応で救急車を呼び、
私の意識と状態を確認する。
まぁ、電話に出るくらいだから意識は一応あったわけだが・・・。
電話に出たものの、会話が出来ない。
なんたって、ひかれて5分とかしかたってなかったし。
力を振り絞って携帯を差し出す。
「す、すみません。母親に今の状況を・・・。」
そういって息も絶え絶えに
電話を彼女に渡して状況を説明してもらう。
携帯を離した私の手は力なくすぐに地面へとぶつかる。
ゆっくりと呼吸をする。
意識が朦朧とする。
「あぁ、死ぬってこんなんか・・・。」
そんな風に思って目を閉じた。
「はぃ、携帯!!!」
・・・。
事情を話終わった私に携帯が返される。
「ぁっ、ぁりがとぅございまず・・・。」
傷口に響くくらいでかい声で話かけられ、
お礼をいって携帯を受け取る。
すると、又電話がかかってきた。
今度は、今日の主役の友達だった。(オーストラリアに行く。)
「なにやってんの??まだこれないの??早くしてよ~。今どこ??」
本当に限界で話せなかったから、
また彼女に事情を説明してもらった。
すると、
母が駆けつけてきた。
父もその後ろを追いかけてやってきた。
そして、救急車も来た。
同じ高校の友達は目の前の駅で何も知らずに私の到着を待っていた。
そして、私は彼女を思いながら担架に乗せられた。
母も同乗した。
また、主役の友達から電話がかかってきた。
「救急車ですよ!!電源を切ってください。」
救急員は怒鳴った。
そして夜の街、様々な思いが入り混じりながら、
私は連絡が一切取れない状態で救急車で運ばれた。
現場には、
私を轢いた車の姿は無かった。
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